ナチスによる民間人集団虐殺事件の被害者遺族がドイツに損害賠償を請求した事件について、ギリシャ最高裁判所はドイツの主権免除を否定して賠償を命じた原審判決を支持し、ドイツの上告を棄却した。
ナチスによる強制労働被害者のフェッリーニ氏がドイツに損害賠償を請求した事件について、イタリア破棄院は主権免除により却下した原審判決を破棄して差し戻した。本判決がイタリアで多数の被害者がドイツの提訴するきっかけとなった。
ドイツに対する訴訟を受理し賠償を命じたイタリア裁判所の行為は国際法違反であると判断したICJ判決。
イタリア国会はICJ判決を受け容れるための法律を制定したが、憲法裁判所はこの法律は被害者の裁判を受ける権利を侵害し違憲であると判示した。
ブラジル連邦最高裁判所(憲法裁判所)は韓国の1.8判決に続いて主権免除の人権例外を認め、ナチスドイツの潜水艦に撃沈された漁船の乗組員の遺族がドイツ国家に損害賠償を請求した訴訟で、戦争犯罪や国際人権法に違反する行為であることを理由にドイツの主権免除を否定した。
2014年のロシアによるウクライナ東部地域占領の際に戦死したウクライナ兵士の妻と子がロシア連邦に慰謝料を請求した事件。1審は主権免除を適用して請求を却下。控訴審はロシア連邦の同意の有無を確認するために手続を停止した。これに対して原告は手続停止決定の取消と最高裁による審理を求めて破毀上訴した。最高裁(破毀審)は上訴を一部認容してロシア連邦の主権免除を否定して手続停止決定を取消し、審理を控訴裁判所に差し戻した。