2014年判決第238号
イタリア共和国
イタリア人民の名において
憲法裁判所
構成:
裁判長 Giuseppe TESAURO; 裁判官: Sabino CASSESE, Paolo Maria NAPOLITANO, Giuseppe FRIGO, Alessandro CRISCUOLO, Paolo GROSSI, Giorgio LATTANZI, Aldo CAROSI, Marta CARTABIA, Sergio MATTARELLA, Mario Rosario MORELLI, Giancarlo CORAGGIO, Giuliano AMATO,

下記の通り言い渡す
判 決


フィレンツェ地方裁判所が2014年1月21日決定第84号、85号、113号により提起し、イタリア共和国官報2014年第1集第23、第29号で公示された、1957年8月17日法律第848号(1945年6月26日にサンフランシスコで署名された国連憲章の執行)第1条、2013年1月14日法律第5号(2004年12月2日にニューヨークで署名された国連国家免除条約へのイタリア共和国の加入及び国内法の改正条文)第1条(正しくは第3条)の合憲性に関する事件。
S.F.、A.M.ら、B.D.の出頭、及びイタリア共和国首相の参加の下に2014年9月23日の口頭弁論において報告担当裁判官である Giuseppe Tesauro裁判官がS.F.、A.M.ら、B.D.の代理人Joachim Lau氏及びDiana Racucci司法長官の陳述を聴取した。

事実に関する理由


1. 2014年1月21日の3件の同文の決定(2014年決定第84号,85号、113号)によって、フィレンツェ裁判所は次の3点について違憲審判を提請した。23

1) 「憲法10条第1項の効果による編入によってわが国の法秩序の中に創設された規範」、すなわち国際司法裁判所(ICJ)2012年2月3日判決によって認定された国際慣習。ただし、第三帝国により少 なくともその一部が法廷地国の領域において主権行為として行われた戦争犯罪による損害の賠償訴訟について民事裁判所の管轄権を否定する限りにおいて。

2) 1957年8月17日法律第848号(1945年6月16日サンフランシスコで署名された国連憲章の執行)第1条。ただし、第三帝国により少なくともその一部がイタリアの領域内において主権行為として行われた人道に対する罪による損害の賠償訴訟の審理について、国内裁判官にICJ判決に従うことを義務づける国連憲章94条の受容を通じて管轄権の否定をイタリア裁判所に義務づける限りにおいて。

3) 2013年1月14日法律第5号(2004年12月2日にニューヨークで署名された国連国家免除条約へのイタリア共和国の加入及び国内法改正のための法律)第1条(正しくは第3条)。ただし、憲法第2条及び第24条との関係において、ICJ判決が第三帝国によりイタリア領内において主権行為として行われた人道に対する罪による損害の賠償訴訟の審理の管轄権を拒否するイタリア裁判所の義務を創設する場合にも、国内裁判官に同判決への従属を義務づける限りにおいて。

これらの規範は憲法第2条及び第24条との関係で疑問を提起された。それらは(司法保護の義務を負う)イタリア国家の領域内における他国の主権権力の行使による戦争犯罪と人道に対する罪の被害者が被った重大な人権侵害の事件の司法審査と損害賠償を排除する点において憲法24条に規定された司法保護の絶対的保障の原則と抵触すると指摘された。司法保護の絶対的保障の原則はイタリア憲法秩序の最高原則であり、一般に承認された国際法規範の憲法10条1項による国内法への編入及び憲法11条に規定される目的を促進する国際機関を設立する条約に含まれる規範、又はそのような機関に由来する規範の編入の限界を画する。

1.1 提請裁判官は次のように述べた。
第1の事件はF.S.氏が 第二次世界大戦中に被った損害についてドイツ連邦共和国に賠償を請求する事件である。同人は1944年6月8日にイタリア領内でドイツ軍に拉致され、マウトハウゼンに移送された。同人は筆舌に尽くし難い苦難の末、1945年6月25日にようやく解放された。
第2の事件はL.C.氏が第二次世界大戦中に被った損害について同人の正当な相続人らがドイツ連邦共和国に賠償を請求する事件である。同人は1943 年 9月8日にイタリア領内でドイツ軍に拉致され、 奴隷労働者としてドイツに移送された。同人はドイツのテューリンゲン州カーラの強制収容所で殺害され、国際赤十字社によれば、奴隷化された他の6000人の収容者とともに共同墓地に埋められた。
第3の事件はD.B.氏が第二次世界大戦中に被った損害についてドイツ連邦共和国に賠償を請求する事件である。同人は1944年9月9日にイタリア領内でドイツ軍に拉致された。同人は入院していたベローナで捕らえられ、奴隷労働者として移送された。その後ブーヘンヴァルト強制収容所の分所であるツァイツ強制収容所に収容され、更にハルトマンスドルフスタラグ4F強制収容所、続いてグランシュッツに移送され、そこで終戦を迎えて連合軍に解放された。
提請裁判官によれば、ドイツ連邦共和国はこれらの事件に出廷し、イタリア司法機関は管轄権を有しないと主張した。ドイツ連邦共和国は、ICJ2012年2月3日判決に従ってこれらの事件の本案審理手続を受理しないように求めた。そこで提請裁判官は裁判所に管轄拒否を求める規範の合憲性について上記の提請を行った。

1.2. フィレンツェ裁判所は、一般に承認されている国際法規範を受容するイタリア法秩序が、それが主権の行使であったとはいえ、外国国家によりイタリア領内で行われた基本的人権を侵害する戦争犯罪と人道に対する罪による損害についての訴訟の審理の拒否を国際犯罪が行われた国の国内裁判所に要求しているのかという問題がこれらの事件の主な争点であると指摘した。
提請裁判官はこれらの訴訟の請求の主題となる行為の性質は国際犯罪を構成するものであり、基本的人権に対する侵害の程度は比類のないものであることを指摘した。彼はICJ判決以前には国際法の承認する外国国家の民事訴訟からの免除は絶対的な性格ではないことを破棄院は認めていたとも述べた。破棄院は実際に、国家が主権を行使した場合であっても、訴えられた行為が人道に対する罪を構成する国際犯罪であると考えられる限り免除は制限することができると判示したことがある(2004年判決第5044号、2008年判決第14202号)。
しかし提請裁判官は破棄院がICJの2012年2月3日判決後に判例を変更したと指摘した。同判決においてICJは、仮に外国国家が国際人権法に対する重大な違反について訴えられているとしても「慣習国際法は武力紛争の遂行過程において、国の軍隊その他の国家機関が損害をもたらす行為を他国の領域で行ったとして訴えられている国に対する損害賠償訴訟において免除を認めることを現在も要求している」と判示した。破棄院はICJ判決に同調し、「破棄 院が2004年判決5044号で判示した法理は未だ孤立し、ICJに代表される国際社会に受け入れられていない。したがってその法理は…もはや適用することができない」から、イタリア裁判所は管轄権を有しないと判示した。(2012年判決32139号、2013年判決4284号)。
国会も同様の趣旨から第三帝国による戦争犯罪に対するイタリア裁判所の管轄権を係属中の手続も含めて明文(第3条)で排除する2013年1月14日法律第5号(2004年12月2日にニューヨークで署名された国連国家免除条約へのイタリア共和国の加入及び国内法改正のための法律)を可決した。
フィレンツェ裁判所の指摘によれば、ICJは不法行為により訴えられた国家の主権原則と基本的人権との衝突については検討の必要がないと断言した。ICJは実体的な強行規範と形式的または手続的な性格を有すると考えられる免除規則のような規範は異なる次元で作用する以上、その間には抵触は存在しないと判示した。そこで提請裁判官は、一方でICJが絶対的かつ独占的な権限を有するためイタリア裁判所は強行規範の命令的で逸脱を許さない性質について解釈することはできないが、他方で重大な人権侵害の被害者の犠牲において国家に無差別の免除を与えることがイタリア憲法とその補足的な法源(超国家的な法源を含む)に適合しているか否かを判断するイタリア裁判所の権限が否定されるはずがないと申立てた。換言すれば、イタリア国内法への(憲法10条、11条、117条による)外部の法秩序の受容には一定の限界が存在するか否かという、当該事件でドイツ連邦共和国が提起した本案前の抗弁に影響する重要な問題についてイタリア裁判所は審査する権限を有するというのである。 提請裁判官は、特にEU諸国では憲法や欧州連合基本権憲章の発効前に存在した国際慣習に基づく国家免除によって、戦争犯罪と人道に対する罪による不可侵の人権への侵害からの司法保護を濫りに拒否することが今日でも許されるのか、疑うべきであると述べた。
ICJはこの状況が侵害された権利に対する司法保護への現実かつ不可逆の侵害を招くことを自ら認識しながら、実体的な強行規範に対する違反(戦争犯罪と人道に対する罪の広範な実行による基本的人権の侵害)は手続的性質である国家免除の国際法規範と抵触しないとみなした。これを踏まえ、主権の行使であるとはいえ国際犯罪を犯した法廷地国以外の国家に対して司法保護が発動された場合、特に免除との関係において、国家主権平等の原則によって基本的人権に対する司法保護を犠牲にすることを国内法の範囲において正当化することができるのかという問題をフィレンツェ裁判所は提起した。
この問題について何らの決定権も認めていないICJ判決によれば、国内裁判所には第三帝国が占領下のイタリア領内において行った犯罪行為が国際法上主 権行為であるか否かを判断する権限がないことを提請裁判官は認めている。しかしながら提請裁判官は、国際免除の絶対的性格も被害者個人が司法審査と救済(問題の事件においては双方ともドイツの法制度の下では拒否された)を受ける全ての可能性を否定することはできないと申立てた。
憲法裁判所は早期の判決(1979年第48号)以来、憲法第10条第1項によりイタリアの法秩序に編入される一般に承認された国際法規範とイタリア法秩序の基本的原則が抵触する場合、後者が優先されるべきであると判示してきたことをフィレンツェ裁判所は指摘した。提請裁判官が指摘する通り、後の判決(2001年判決第73号)において当裁判所は「一般に承認された国際法規範と国際条約へのイタリア法秩序の開放は、その主体性維持の必要により、何よりも憲法に規定された価値によって制限される」という原則を再確認した。
それゆえ、イタリア法秩序が憲法10条第1項により受容する一般に承認された国際法規範、憲法11条に定められた目的を促進する国際機関を設立する条約に含まれる規範及びそれらの機関に由来する規範の導入は、憲法秩序の基本原則と不可侵の人権によって画された限界に服すると提請裁判官は主張する。
憲法24条の原則は「民主主義の原則自体及びいかなる紛争においても常にいかなる者に対しても裁判官と判決の利用を保障する義務と本質的に結びつく」(1982年判決第18号)ゆえにイタリア憲法秩序の最高原則のひとつであることに照らし、提請裁判官は免除の慣習規範の合憲性に疑問を提起した。提請裁判官によれば、ICJが定義した当該慣習国際法は、法廷地国の領域内における人道に対する罪の結果として基本的人権が侵害された場合には、仮にその犯罪が外国の主権行使として行われたとしても司法保護の絶対的保障という最高原則に優越し得ない。
要するに、提請裁判官によれば、イタリア裁判所はICJ判決に従うことはできず、したがってその裁判権を拒否する。イタリア裁判所は、数十年にわたって解決策を見出すことができなかった諸国家の政治的組織間の力学に個人の保護を委ねることはできない。仮に第三帝国の邪悪な行為に対する司法裁定と賠償が拒否されるなら、実効的救済の権利は回復不可能なほど犠牲になるであろう。
更に提請裁判官は、憲法裁判所2009年第311号判決の判旨からも合憲性に疑問を提起せざるを得ないと述べた。同判決において当裁判所は、国際法と憲法が抵触した場合には「国際規範の反映は機能せず、従ってその国際規範は憲法117条第1項のパラメーターを構成しない」、したがって「外部規範自体の適法性について何ら効果を及ぼさず…実施法が違憲となる(2007年判決第348号及び349号)」と判示した。
上記の観点からフィレンツェ裁判所は当裁判所に違憲審判を提請した。イタリア憲法発効前に形成され、国際慣習に従うとする憲法第10条第1項の効果により受容され、戦争犯罪による損害に関する訴訟について不法行為の少なくとも一部がその領域内で有害な結果を及ぼした国家の管轄権を否定する国内規範の合憲性に対する疑問は、明らかに理由がないとは言えないと同裁判所は考えている。
提請裁判官は更に、「各国際連合加盟国は、自国が当事者であるいかなる事件においても、国際司法裁判所の裁判に従うことを約束する。」と規定する国連憲章第94条は憲法規範(第11条)の効果によってではなく、準憲法的性格である批准法を通じて国内法秩序に組み込まれたことを指摘した。したがって、その国内法秩序に対する拘束力は憲法と両立する範囲のみに及ぶ。
そこで提請裁判官は、1957年8月17日法律第848号についても、それが国連憲章(特に第94条)と併せて2012年2月3日判決を含むICJ判決への服従を全ての国家機関に義務づける限りにおいて合憲性に疑問を提起する。
同様な理由から提請裁判官は、第三帝国がイタリア領内で主権行為として行ったとされる犯罪の損害に対する訴訟の審理についてのイタリア裁判所の管轄権を否定したICJ判決に従うことを国内裁判官に義務づける 2013年1月14日法律第5号第3条にも疑問を提起する。
最後にフィレンツェ裁判所は、疑問を提起された各条項のいずれかひとつが適用されても管轄権の行使を排除することができるので、それらは本案判決との関係で独立していると述べた。

2. 首相は司法長官の代理により本件に訴訟参加した。首相は提請には理由がなく承認できないとの宣言を求めた。
第一に司法長官は、提起された提請は憲法制定以前に形成された免除の慣習法に関する違憲審査が含まれるので認められないと主張した。司法長官によれば、慣習国際法に関する違憲審査は憲法発効後に形成されたものに限られると判示して来た憲法裁判所の一貫した判例に照らし、この規範は違憲審査の対象となり得ない(この主張を支持するものとして、1979年判決第48号、1992年第471号、1996年第15号を摘示した)。
首相は更に、管轄権の問題の審査は論理的に事件本案の審査に先行して行われる必要があると主張した。それによると、実体的な強行規範違反の行為による損害賠償の請求であるということのみを根拠に領域国の管轄権が成立するとすれば、「手続的審査と実体的審査の区別の論理的優先性の受け入れがたい逆転」を招来する。
司法長官は本案について、憲法第10条第1項は一般に承認された国際法規範 を受容しそれらに憲法的法の地位を与えることを憲法裁判所が認めた事実があると主張した。その主張によれば、憲法24条により保障される司法保護の権利と国家免除の抵触について、当裁判所は特別法の原則の適用、すなわち法廷地国が外国に免除を与える必要の利益を優先し、憲法第24条の規定する原則が制限されることを認めて解決してきた。抗弁が外国の免除尊重の必要性の観点からみて合理的な範囲内であれば、問題の条項の合憲性に対する疑問は根拠がないというのである。
司法長官は更に、外国の免除を尊重する義務は、特に加盟国にICJ判決に従うことを義務づける(1957年法律第848号によりイタリア法秩序に編入された)国連憲章第94条、同条を補完する2013年法律第5号のような、本件で問題とされている他の条項によって確認されていると主張した。憲法第11条は国連憲章の下でイタリアが従うべきICJ判決により定義される慣習国際法を尊重することを義務づけているから、慣習国際法及び(前記国連憲章第94条により)ICJ判決に従うイタリアの義務は憲法第11条により確認されると司法長官は主張する。

3. 3件の事件(決定84号、85号、2014年113号)の本案原告は全て口頭弁論による審理を求め、憲法裁判所がフィレンツェ裁判所の提請を受け容れるべきであると主張した。

3.1. まず本案原告側は、損害賠償請求訴訟はドイツ連邦共和国と連合国の合意による猶予期間10のため67年後にようやく提訴されたことを指摘した。イタリアも平和条約18条11の効力により猶予期間を尊重する義務があった。更に猶予期間の終了以来賠償請求はドイツ連邦共和国によって拒否され続け、第三帝国とその政府が行った犯罪に対するその他のあらゆる形式の補償も拒否されたと本案原告側は主張した。
フィレンツェ裁判所が提起した問題について本案原告側はいくつかの予備的主張を行った。本案原告側は、1945年6月26日サンフランシスコにおいて、重大な人権侵害に対応して国際社会の諸国家は人種、性別、言語、宗教を問わない人権と基本的自由の尊重を誓約したことを指摘した (国連憲章第1条第3項12、第55条 (c) 13)。それらの権利の中に後に(2005年12月16日、国連総会 60/147 決議「国際人権法及び国際人道法に関する重大な違反の被害者が救済及び賠償を受ける 権利に関する基本原則とガイドライン」14)人権保護の国際制度の基礎となった裁判を受ける権利 (1966年12月19日、市民的及び政治的 権利に関する国際規約第14条15)がある。したがって人権保障と(国家の裁判免除と関連する問題である)内政不干渉原則の抵触を基本的人権の犠牲のもとに解決することはできない。
よって、2013年法律第5号は憲法第24条に違反するのみならず、当該事案について管轄権を有する裁判所にアクセスする権利を含む基本的人権を保障する国際法にも抵触するものであって、違憲であると本案原告側は主張する。
そこで本案原告側は、ICJが権限を逸脱したとの非難を避けるためにも、フィレンツェ裁判所の提請を憲法裁判所が受け入れることを求めた。
更に本案原告側は現行の国際法上イタリア裁判所は管轄権を有すると主張した。したがって、当該条項が第2次世界大戦中にドイツ軍隊が行った人道に対する罪に関する損害賠償訴訟についてイタリア裁判所の管轄権を排除する限りにおいて、憲法第10条及び第117条に抵触する。また、私的当事者がその民事・行政法上の権利を守るために裁判所に提訴することに影響を与える限りにおいて、慣習国際法にも抵触する。
上記に照らし、本案訴訟当事者らの代理人は憲法裁判所が2013年法律第5号は憲法24条、11条及び117条に違反して違憲であることを宣言し、(それによって2012年2月3日ICJ判決のすべての間接的な効果も排除し)イタリア裁判所の管轄権を認める事を求めた。

[省略] 16

4. 口頭弁論において、当事者及び首相は各々の書面上の主張を裁判所が支持するよう求めた。

法律に関する理由


1. フィレンツェ裁判所は、ドイツ連邦共和国に対する3件の訴訟において被告が同裁判所の管轄権否定を求める主張の根拠となっている特定の条項の合憲性に疑問を提起した。それらの訴訟は、第2次世界大戦中にドイツ軍により捕えられ強制収容所における奴隷労働のためにドイツに移送された3人のイタリア市民により、損害賠償を求めて提起された。
より具体的には、フィレンツェ裁判所は下記の点の合憲性に疑問を提起した。

1) 「憲法第10条第1項の効力による受容により我が国の法秩序中に編入された」、国際司法裁判所(ICJ)の2012年2月3日ドイツ対イタリア事件判 決の解釈に基づく、他国の民事裁判からの国家の免除に関する慣習国際法。ただし、それが第三帝国によって1943年から1945年の期間にイタリア市民に対してイタリアとドイツで行われた不可侵の人権を侵害する戦争犯罪と人道に対する罪が主権行為であって民事裁判所の管轄権から除外されるととみなす限りにおいて。

2) 国連憲章適用法(1957年8月17日法第848号「1945年6月16日にサンフランシスコで署名された国際連合憲章の執行」)第1条。ただし、ICJ判決がイタリア領域内における第三帝国の主権行為による人道に対する罪に対する損害賠償訴訟の審理の管轄権を否定するイタリア裁判所の義務を創設した場合にも国内裁判官にICJ判決への服従を義務づける限りにおいて。

3) 国内裁判官にICJ判決への服従、すなわち外国の主権行為に関する将来の事件について、それらの行為が1943年から1945年の期間に第三帝国の軍隊によってイタリアとドイツにおいて行われた戦争犯罪と人道に対する罪のように国際人道法と基本権に対する重大な侵害であっても国内裁判官に管轄権を否定すること義務づけ、また、免除を認めなかった確定判決の訂正を許すことを義務づける2013年1月14日法律第5号(2004年12月2日にニューヨークで調印された国連国家免除条約へのイタリア共和国の加入及び国内法改正条文)第1条(正しくは第3条)。

前記の規範は憲法第2条及び第24条との関係で問題とされる。
それらの規範は他国の主権権力の行使(主権行為)による戦争犯罪と人道に対する罪の被害者が被った重大な人権侵害に対する損害賠償訴訟の司法審査を排除するものであるから、憲法第24条が規定する司法保護の絶対的保障と抵触するとされる。司法保護の絶対的保障の原則はイタリア憲法秩序の最高原則であり、憲法第10条第1項による一般に承認された国際法規範の国内法秩序への編入を制限し、憲法第11条の掲げる目的を推進する国際機関を設立する条約に含まれ、又はそのような機関に由来する規範及び適用法に関する限界を画する。
提請裁判官は、ICJが2012年2月3日判決において、主権行為とみなし得るいかなる行為についても他国の民事裁判から免除を受けるという慣習国際法規範が今も存在するとの見解を示したことに注目する。このようにICJは、戦争犯罪又は人道に対する罪による基本的人権の侵害であると当該事件において明確に認められた1943年から1945年にかけてのイタリアにおける第三帝国軍隊による追放、奴隷労働、虐殺という出来事に関する主権行為を例外とする 構成を排除した。ICJは異なるレベルで機能することを理由に、実体的な強行規範(国際人権法)と手続規範(他国の裁判権からの国家免除)の間の抵触の存在も否定した。
しかし、フィレンツェ裁判所はICJが国際法解釈について「絶対的かつ独占的な権限」を有していることを認めながら、慣習国際法に対応する国内規範と関係する適用法の合憲性に疑問を提起した。それらは不可侵の権利の司法保護の権利を含む基本原則と憲法的保障により制限されるからである。
提請裁判官は、「仮にICJの見解のように国家免除に絶対的な性質が与えられるなら、被害者個人はドイツの法制度の下でも否定された司法審査と救済のあらゆる可能性を否定される」ことを無視することはできないと指摘した(2014年提請決定第84号7頁、同85号7頁、同113号7頁)。
したがって、提請裁判官は国連憲章適用法(1957年法律第848号第1条)及びニューヨーク条約加入法(2013年法律第5号第3条)に含まれる条項の合憲性について、それらが上記の慣習国際規範と同様にICJ判決に従ってその管轄権を否定することを裁判官に要求する限りにおいて、類似の懸念を表明した。
最後にフィレンツェ裁判所は、問題の各条項はそのいずれかが個別に適用されたとしてもその管轄権を排除することができるから、本案判決との関係で独立していると指摘した。
また提請裁判官は、提起された問題は損害賠償請求を審理する管轄権に限定され、執行行為の問題を含まないと述べた。
3件の事件全てについて請求と主張は同一であるから、それらは併合して審理、決定されるべきである。

2. まず、フィレンツェ裁判所が提起した本件提請に対する当裁判所の審査権限に関する本案前の抗弁について検討しなければならない。

2.1. 第1の抗弁として、本件の裁判権免除は一般に承認された慣習国際法規範に関するものであり、その規範の形成はイタリア憲法発効前であるから違憲審査の対象とならないと司法長官は主張した。当裁判所が1979年判決第48号(事実に関する理由第2項参照)において慣習国際法に対する違憲審査は憲法発効後にその規範が形成された場合に限って許されると判示したというのである。
しかし、この抗弁には理由がない。
実際には、司法長官が指摘した事件において当裁判所はまさに、明らかに「国家の相互関係における何世紀にもわたる慣習」である外交官免除の慣習国際法 の合憲性を審査した。裁判所は次のようにも判示した。「提請裁判官が提起したように、1967年法律第804号に含まれるウィーン条約第31条第1項及び第3項に関する執行命令が形式的に正当に見えるのは、単に関係部分における条約の条項が前述の一般国際法規範の宣言に過ぎないからである。したがって問題の法的根拠はその規範との関係で判断すべきであり、本件の事実上の主題は国際慣習を受容するための国内法規範と上記の憲法原則の適合性に関するものである」(法的理由第3項)。
そして同判決の後の部分において裁判所は次のように付け加えたのである。「いずれにせよ、より一般的に言えば、憲法第10条による自動受容作用は国民主権と憲法の厳格性の上に創設されたものであるから、憲法発効後に存在するようになった一般に承認された国際法規範に関しては、我が国の憲法秩序の基本原則への違反を許容できないことに注意すべきである」(法的結論第3項)。
1979年判決第48号についての司法長官の解釈の当否はさておき、当裁判所としては1956年判決第1号において明確に論及したことを特に確認しておきたい。
「『違憲』という新しい観念は憲法の後の法に関するものであり、先行する法に関するものではないという前提は受け入れられない。文言解釈上、憲法134条17と1948年2月9日憲法的法律第1号は法律の合憲性の問題を何らの区別なく規定している。論理解釈上、通常の法律が憲法的法律に先行したか後続したに関わりなく、通常の法律と憲法的法律の関係及び各々の法源の階層における地位が不変であることは否定できない」。
したがって、合憲性の統制は共和国憲法に先行する法律及び後続する法律ともに適用されるという1956年判決第1号が判示した原則は、憲法第10条第1項により自動的に受容される一般に承認された国際法規範にも、それらの形成が憲法の前後であるかを問わず適用されるということが今日では確認されるべきである。同様に、憲法第10条第1項により慣習国際法からの受容の対象となる規範は、憲法第134条がその具体的な可能性を明示的に規定していないという理由のみによって違憲審査から除外されることはない。その条項によれば、立法プロセス以外の方法により成立しながら正式な(通常及び憲法的)法律と同様の法的効果を有する全ての法、規則、規範(前記の慣習国際規範を含む)は集中的違憲審査に従う。法律の下の階層にあり、法律と同様の法的効力をもたない規則のみが当裁判所の審査から除外される。要するに、論理的及び体系的な観点からみて、国際慣習の違憲審査を排除したり憲法の後に形成された慣習に審査を限定する理由はない。後者は憲法以前に形成された慣習と同様の法的効力を有し、両者の慣習法は憲法秩序の判断基準、すなわち基本的原則と不 可侵の人権により制限される。
したがって、首相側により提起された第1の抗弁には理由がない。

2.2. 第2の抗弁は、主権行為と考えられる行為に関する国家免除の国際慣習の検討を根拠に管轄権の欠缺を判断することはできないという前提に立つものである。そうでなければ「手続審理と実体審理の論理的優先順位の関係の受け入れがたい逆転」をもたらすというのである。 管轄権に対する異議は当事者らが主張する請求の内容の審査を必然的に要求するから、この異議も理由がない。

2.3. 追加的な憲法上のパラメーターを援用して各事件の主題を拡張しようとする当事者の主張も承認しがたいことも予め再確認しておく必要がある。 付随的違憲審査の主題は提請決定に記された条項とパラメーターからなる(2014年判決第32号及び2011年判決第271号、2009年判決56号)。したがって、憲法第117条第1項及び同117条自体により援用された慣習国際法について(本件において当裁判所に出頭した)本案訴訟原告らが提起した合憲性への疑問は考慮に入れることができない。

2.4. 最後に、3件の提請書の主文は2013年法律第5号第1条を対象条文として摘示しているが、原告らの関心は2004年12月2日国連国家免除条約への加入を認める第1条ではなく、2012年2月3日判決でICJが宣言した決定を通常の受容手続により反映する限りにおける同法第3条にあることが3件の提請の全趣旨によれば明らかであることを指摘しておく。したがって、2013年法律第5号第1条ではなく同法第3条が違憲審査の主題である。これは提請の原因や提請の文脈を念頭において争点となる条文を含む紛争の主題が特定されるべきであるという一貫した憲法判例(2012年判決第258号、2011年第181号、2011年裁判所決定第181号など多数)に沿うものである。

3. 本件における「憲法第10条第1項の効果による受容によって我が国の法秩序に編入された」外国の民事裁判からの国家免除の慣習国際法の合憲性に対する疑問は下記の意味において理由がない。

3.1.まず、提請裁判官が外国の民事裁判からの国家免除に関する慣習国際法規範についてのICJの解釈に対する評価を当裁判所に提起した主題から除外したことに注意すべきである。当裁判所はそのような統制を行うことは全く出来ない。国際慣習はイタリア法秩序の外部に存在する。そして憲法10条第1項 の効果により政府又は裁判所がそれを適用する際には協調の原則を尊重し、その元来の法秩序である国際法秩序の中で与えられた解釈に従うべきである。本件においては、当該規範はドイツ連邦共和国に帰せられる訴訟についてのイタリア裁判所の管轄権をめぐるドイツとイタリアの紛争を解決するという視点からICJによって明確に解釈された。
ICJは2012年2月3日判決において、基本的人権を侵害する戦争犯罪と人道に反する罪の事件における主権行為は外国の民事裁判からの免除の規範から除外されると推論するに足りる国際的な国家実行は今のところ存在しないと判示した。これらの犯罪の実行はICJによって認定され、またドイツ連邦共和国自身が認めた。
ICJはイタリア裁判所の管轄権の否定は外国の犯罪の結果損害を被った個人の基本的人権の犠牲を伴うことも明白に認めた(同判決第144項、第104項参照)。上記の犯罪の被害者に対する他の法的救済の存在を否定したドイツ連邦共和国の代理人もこれを認めた(2010年10月5日ドイツ答弁書11頁第34項)。新たな交渉の開始が国際法上の紛争の解決の唯一の可能な手段であるとICJは指摘した。
国際法のレベルにおいては、主権行為と考えられる行為に対する外国の民事裁判権からの国家の免除の慣習法に関するICJの解釈は特権的であり、当裁判所を含む各国の政府や司法機関による更なる審査を許さないことを認めねばならない。この原則は欧州人権条約の解釈に関する欧州人権裁判所2007年第348号及び第349号判決によって明確に宣言された。
実際に提請裁判官は主権行為と考えられる行為についての免除の国際規範に関するICJの解釈について疑問を提起していない。当該裁判官はその規範の適用範囲はICJによって明確に定義されたと(懸念を持って)表明した。さらに彼はドイツ連邦共和国に帰せられる行為が不法であることには争いがなく、それが基本的人権を侵害する戦争犯罪と人道に反する罪であることをドイツ連邦共和国自身とICJが認定したが、それにも関わらずこの問題は本案訴訟の内容であり、したがって当裁判所に提起された主題に含まれないと指摘した。 そうであっても、他の問題、すなわち国際法秩序による解釈に従い国内法に受容・適用された国際法規範(これは憲法第10条第1項により階層的に憲法と同等の地位にある)と憲法の規範及び原則との間の抵触は、その抵触が解釈によっては解消されない限りにおいて審査・解決されねばならないことが明らかである。
これは基本的人権の保障の原則を含む国家憲法秩序の本質的原則への制限に関する事案である。そのような状況では、国内法秩序の基本原則の不可侵性を擁護し、少なくともその犠牲を最小限にするために違憲審査を行うのは国内裁判 所であり、本件の場合には専ら当裁判所である。
そして、これはまさに上記の合憲性の問題を申し立てるにあたりフィレンツェ裁判所が当裁判所に提起した主題である。同裁判所は、ICJの解釈にもとづく外国の民事管轄権からの国家免除の国際規範と我が国の憲法秩序の基本原則、すなわち裁判を受ける権利(第24条)及び基本的人権保障の原則(第2条)との適合性の審査を求めた。問題の場合のように両規範とも憲法的地位を有していても憲法上の適合性を審査することは全く可能である。なぜなら、衡量は「当裁判所がその権限内のあらゆる事案において行使を求められる通常の任務のひとつ」(2011年判決第236号)だからである。

3.2 当裁判所が繰り返し判示しているように、憲法秩序の基本原則と不可侵の基本的人権は疑いなく「憲法第10条第1項によりイタリア法秩序が受容する一般に承認された国際法規範の編入の限界」(1979年判決第48号、2011年判決第73号)、EU法の導入の「対抗限界(controlimiti)」(1973年判決第183号、1984年第170号、1989年第232号、1991年第168号、2007年第284号など多数)、ラテラノ条約及び政教条約の執行法制定の限界(1982年判決第18号、1971年第32号、第31号及び第30号)を構成する。換言すればそれらは憲法秩序の特別の基本要素である。それゆえにそれらは憲法改正の対象外である(憲法138条18及び139条19、1988年判決第1146号)。
集中的違憲審査制の下では、慣習国際法に関する違憲審査も明らかに他のいかなる裁判所でもなく憲法裁判所のみに属する権限である。実は当裁判所のその権限は、国家の憲法的秩序の基本原則や不可侵の人権保障原則を明らかに含む憲法的法と問題の規範の憲法不適合性によってその範囲が決定される。この適合性審査は憲法裁判官だけの権限である。最も初期の判例において「法に対する違憲の宣言は憲法第136条20により憲法裁判所のみが行うことができる」(1956年判決第1号)と判示したように、集中的違憲審査制のもとでは他の解決方法はすべて憲法が当裁判所に授与した権限に反するものである。
その上、当裁判所は最近も憲法秩序と人権保障の基本原則との適合性を審査する独占的権限を有していることを再確認した(2007年判決第284号)。しかも、まさに裁判を受ける権利(憲法第24条)について、当裁判所は基本的人権の尊重と逸脱できない原則の履行は憲法裁判所に与えられた保障機能によって保護されると判示した(2014年判決第120号)。

3.3 外国の民事裁判からの国家免除の慣習国際法は、当初は全ての国家行為 に及ぶ絶対的なものであった。その後20世紀前半に多くの国家で国内判例の効果によって進歩的発展を遂げ、(分かりやすい表現で言えば)業務管理行為が適切な限界として定義された。そして周知のように免除規則に対するこの限界の適用は、主にイタリア裁判所とベルギー裁判所によるいわゆる「イタリア・ベルギー理論」として次第に確立された(イタリア判例として、フィレンツェ裁判所1906年6月8日判決; Rivista di Diritto Internazionale 1907年379頁、破棄院1926年3月13日判決;同上1926年250頁、 ナポリ控訴裁判所1926年7月16日判決;同上1927年104頁、ミラノ控訴裁判所1932年1月23日判決;同上1932年549頁、破棄院1933年1月18日判決;同上 1933年241頁 など多数。ベルギー判例として、破棄院1903年6月11日判決;Journal de Droit International Privé 1904年136頁、ブリュッセル控訴裁判所1920年6月24日判決;Pasicrisie Belge 1922年II122頁、ブリュッセル控訴裁判所1933年5月24日判決;Journal de Droit International 1933年1034頁など多数)。
要するに、国内裁判官らは外国の民事裁判からの免除は主権行為と考えられる行為のみが享受するように慣習国際法の範囲を限定したのである。その主な目的は、少なくとも国家が私人として行為をする場合には、私人である相手方の権利を不公正に制限することのないように免除の享受を排除することにあった。 このような国際規範の内容の進歩的な定義付けの過程は国際社会において長らく遂行されてきたものであった(1992年判決第329号)。
上記の進化は国内判例によって始められたということがきわめて重要である。すなわち国内裁判所は慣習国際法とその進化を明らかにするための国家実行の確認は国際機関に委ねる一方で、自らの権限を行使する能力を通常有しているのである。
イタリア法秩序においては、(その中では権利の承認は制限された保障しか受けられない)軟性憲法による制度の下での通常の裁判官によりそのような権利保護のための免除制限が行われたおかげで、(硬性憲法によって保障された人権保障と権力への一貫した制限の上に成立した)共和国憲法秩序の下での同様の統制の実行の権限は必然的に当裁判所に帰属することになる。それは基本原則を始めとする憲法の尊重の保障のため、したがって他国の民事裁判からの国家免除の国際規範とそれらの原則との適合性の審査のために当裁判所に独占的に帰属する。その結果は、この規範の国内法に関する限りの適用範囲の更なる制限である。
しかし同時にこれは国際法自身の望ましい (多くの人々が望む)発展に貢献する可能性がある。

3.4 その上、国際法秩序の中で解釈された裁判権からの外国の免除の慣習国際法が基本原則と不可侵の人権に抵触することなく憲法秩序に編入され得るかを確認することを当裁判所に求めている憲法第10条第1項に照らして、このような統制は不可欠である。仮に抵触が存在するなら「国際規範の反映は機能しない」(2009年判決第311号)。したがって、その国際規範の編入と適用は、それが不可侵の原則と権利に抵触する限り、必然的に排除される。 これがまさに本件において生じている事態である。

当裁判所は、憲法24条により保障された、権利を守るために法廷に出頭し弁護を受ける権利、すなわち裁判を受ける権利が憲法秩序の基本原則に含まれると繰り返し述べている。これは当該権利が基本的人権を守るために援用される場合にとくに当てはまる。
本件において提請裁判官は、当裁判所が求められている違憲審査において憲法第2条と第24条は不可分であることを適切に指摘した。前者(第2条)は (本件において特に重要な)人間の尊厳を含む不可侵の基本的人権の保護手段である憲法憲章の基本原則の本質条項である。後者(第24条)も個人がその不可侵の権利を守るために裁判を受ける権利を保障することによる人間の尊厳の保護手段である。
二つの条文は実体法と手続法という異なる分野に属するとはいえ、外国の民事裁判からの国家免除の規範の憲法への適合性という問題について共通の関連性を有している。仮に実効的な保護を得るために裁判所に訴えることができないとすれば、どれだけの権利が生き残ることができるであろうか。
早くもEC法に関する1965年判決第98号において、当裁判所は実効的司法保護の権利は「憲法第2条の保障する不可侵の人権のひとつである。このことは欧州人権条約第6条21においてこの原則に与えられた配慮からも明らかである。」(法的理由第2項)と判示した。より最近には、当裁判所は司法保護の権利について「あらゆる紛争においてすべての者に常に裁判官と判決を保障する義務及び民主主義の原則そのものと本質的に結びついたわが国の憲法秩序の最高原則のひとつ」と明確に定義した(1982年判決第18号、1996年判決第82号)。
当裁判所はまた、基本権の司法保護の実効性の観点から「権利の承認はそれを司法手続の中で裁判所に提訴する権能の承認と密接に結びついている。それゆえ人権を守るために法的救済を求めることは、憲法第24条および第113条22によって保護されている権利そのものである。この権利は本質的に不可侵であり、法の支配に立脚した民主主義国家特有のものである」と述べた(1999年判決第26号、2014年判決第120号、2004年判決第 386号、2003年判決第29号)。その上、裁判を受ける権利及び不可侵の権利の保障のための実効的な司法保護の権利が現代民主主義の法文化の最も重要な原則のひとつであることはほとんど疑う余地がない。
それにもかかわらず、まさに国際法により導かれる裁判権からの国家免除に関する事件において、当裁判所は外国が関係する事件においては司法保護の基本的権利が憲法第10条により定められた限界を超えて制限され得ることを認めてきた。しかしこの制限は憲法秩序の「最高原則」の1つである憲法第24条の原則に優越し得る公益上の理由により正当化されなければならない(1982年判決第18号)。その上、その限界を定める条項は具体的な事例における公共の利益についての厳格な審査によって保障されねばならない(1992年判決第329号)。
本件においては、ICJがその範囲を確定した国家免除の慣習国際法は、人道に対する罪と基本的人権への重大な侵害の犠牲者らが提起した損害賠償訴訟を裁定する国内裁判所の管轄権を認めない限りにおいて司法保護の権利の絶対的な犠牲を伴っている。これは、外交手段がこの問題の解決の唯一の適当な方法であり国際的なレベルの新しい交渉に委ねると述べているLCJ自身が認めるところである(2012年2月3日判決第102項)。
その上、重大な犯罪によって侵害された基本的人権に対する司法保護の権利(憲法第2条、第24条)の犠牲を正当化し得る優越的な公共の利益を憲法秩序の中に見出すことはできない。
法的見地からみても、論理的見地からみても、外国の裁判権からの免除は、単に形式的にではなく実質的に外国の主権機能に関係する場合、すなわち政治権力の行使をともなう場合にのみ主張可能であり、憲法で保障された不可侵の権利の司法保護原則の犠牲を憲法レベルで正当化することができると考えられる。 当裁判所が繰り返し判示したように(憲法第11条について2007年判決第284号、1991年第168号、1989年第232号、1984年第170号、1973年第183号。憲法第10条第1項について2001年判決第73号、1996年第15号、1979年第48号。また、2007年判決第349号)、基本諸原則及び憲法秩序の基本要素である不可侵の人権の尊重は(その実現のためにイタリアが憲法第11条の効力により主権の制限に同意した、平和と正義の原則による良好な国際関係の維持という目標達成の見地から見ても)、イタリア法秩序の国際的及び超国家的秩序に対する受容性(憲法第10条及び第11条)の限界を画する。それは、人道に対する罪であると認められる追放、奴隷労働、虐殺などの行為について、それらの犯罪の被害者の不可侵の権利に対する司法的保護を国内法上絶対的な犠牲とすることを正当化する可能性を本質的に排除している。
憲法第2条及び第24条により与えられるイタリア裁判所の管轄権からの外国 国家の免除は国家の主権機能を保護する。それは、本件においてICJ自身やドイツ連邦共和国がその法廷で認めたように明らかに不可侵の人権を侵害する違法なものであり典型的な政治権力の行使とは言えない行為を保護しない(上記3.1項参照)。ICJ判決が認めるように、これらの人権は実効的な救済手段を奪われている。ICJは「国際法によるドイツの国家免除は関係イタリア国民の法的救済を不可能にする可能性がある」(第104項)ことを認識しているからこそ交渉の再開を希望しているのである。
したがって、人権を中心とする制度上の観点からみて、現在から遡ってみれば犯罪である行為の被害者の基本的人権の司法保護を憲法秩序の外部の法源に対する受容性の強調によって否定すること(判決 第349号、第347号)は、憲法の二つの最高原則の犠牲と全く均衡していない。それらはまさに本件のように国家行為が不可侵の人権を侵害する戦争犯罪や人道に対する罪とみなされ、政治権力の適法な行使の範囲外とされる場合にさえ、国家の政治権力の行使に干渉しないという目的を追求するために犠牲にされている。
最後に、イタリア憲法により創設された裁判を受ける権利は、全ての民主制度と同様に個人の人権に対する実効的な司法保護を要求していることに注目すべきである (憲法24条に基づく司法保護の実効性については、特に最近の2014年判決第182号及び2010年第281号、2007年第77号参照)。
前述のように、当裁判所はEUの司法統制制度は憲法第24条によるものと同等の司法保護の要請を満たしていると認めたことがある(1965年判決第98号)。しかし当裁判所は欧州司法裁判所がやはり後に権利が認められた当事者に有利な先決裁定の効果を遅延させた処置について異なる評価を下した。結果的に先決裁定の効力は著しく妨げられ、当裁判所における再審査によればイタリア憲法によって創設された裁判を受ける権利の要請を侵害し、求められた司法保護の効果は大きく減殺された(1989年判決第232号、これはその問題に関する欧州司法裁判所の判例変更を導いた)。
国連安全保障理事会の組織である制裁委員会が作成したテロリスト容疑者リストに登載された個人の資産凍結のための理事会規則の無効を求める訴訟の欧州司法裁判所判決を想起することも同様に重要である。まず、欧州司法裁判所は要するにEUの司法機関には管轄権がないという第一審裁判所の主張を否定した。反対に欧州司法裁判所はEUの司法機関は国連安全保障理事会決議を実施するためのEU規則を含むすべてのEU法の合法性の審査を保障しなければならないと判示した。そして同裁判所は、国際合意によって課される義務は全てのEU法は基本的人権を尊重しなければならないという原則を妨げることはできないと判示した。
その結果、国連には基本的人権について審査する適切な制度が存在しないため、 実効的な司法保護の原則を侵害する範囲において理事会規則は無効とされた(欧州司法裁判所 2008年9月3日判決)。

3.5. 本件において、ICJが認めドイツ連邦共和国もその法廷で確認したように基本的人権の実効的司法保護が不可能であることは、ICJが定義した国際法と憲法第2条及び第24条との間に明かな矛盾を生じさせる。
外国の民事裁判からの国家免除の国際法が国際法と基本的人権を侵害する主権行為と考えられる行為を含み、そのような重大な侵害を原因とする損害賠償訴訟まで免除の範囲に含むのであれば、上記の矛盾によって憲法第10条第1項による反映は機能しないと宣言することは当裁判所の義務である。
その結果、国家の裁判権からの免除の法が前記の憲法の基本原則と抵触する限り、それはイタリア法秩序に受容されず、そこでいかなる効力も生じない。 したがって、提請裁判官が提起した「憲法第10条第1項の効果による受容により我が国の法秩序の中に編入された」外国の民事裁判からの国家免除の慣習国際法に関する疑問には理由がない。憲法第10条第1項により我が国の法秩序が受容する国際法には、人権を侵害する戦争犯罪や人道に対する罪による損害の賠償訴訟に関する民事裁判の国家免除の規範は含まれない。したがって、それらの人権は不可欠の実効的司法保護から排除されていない。

4. 国連憲章適用のための法律(1957年8月17日法律第848号)第1条の合憲性の問題については異なる結論を導くことができる。当該条項は、本件のようICJ判決が戦争犯罪や人道に対する罪のような国際人道法と基本的人権に対する重大な違反を構成する外国の行為に関する事件について管轄権の否定をイタリア裁判所に義務づける場合にも「各国際連合加盟国は、自国が当事者であるいかなる事件においても、国際司法裁判所の裁判に従うことを約束する」と規定する憲章第94条の執行を要求し、国内法秩序がICJ判決に従うことを求める限りにおいて、憲法第2条及び第24条に違反すると指摘されている。

4.1 下記の範囲において疑問には理由がある。
1957年法律第848号第1条は、1945年6月26日にサンフランシスコで署名され国際平和と安全の維持を目標とする国連憲章の「完全な執行」を規定している。ICJは国際連合組織の主要な司法機関(第92条)として設立され(第7条)、その判断はいかなる事件においても当事者となった加盟国を拘束する(第94条)。この拘束力は(批准と執行命令を認める)適用特別法を通じて国内法秩序に効力を及ぼす。それは国家間の平和と正義の確保を目的とした国 連などの国際機関を支持するためにイタリア国家が合意した主権制限の一例であるが(憲法第11条)、常に憲法の基本原則と憲法で保障された不可侵の権利の尊重という制限に従う(2001年判決第73号)。したがって国連憲章第94条の受容により課されたICJ判決に従う義務は、イタリア領内において第三帝国の主権行為として行われた基本的人権を侵害する戦争犯罪と人道に反する罪に起因する損害賠償訴訟の審理についてイタリア国家にその管轄権を否定することを義務づけるICJ判決を含まない。
いずれにせよ、国連憲章適用法と憲法第2条及び第24条との抵触は、不可侵の人権を侵害する戦争犯罪と人道に対する罪に該当する主権行為に関する訴訟が外国の管轄権からの免除に関する一般国際法の適用対象に含まれると解釈するICJ判決に限って専ら発生する。繰り返し指摘している通り、基本的人権に対する司法保護は「憲法秩序の最高原則」のひとつである。したがって、当該条項(適用法第1条) はそれが人道に対する罪による損害に対する訴訟の審理についてイタリア裁判所に管轄権を否定することを義務づけ、基本的人権の司法保護を露骨に侵害する2012年2月3日ICJ判決に従うようイタリア国家ひいてはイタリア裁判所を拘束する限りにおいて、この原則に違反する。 その他のいかなる場合にも、国連憲章加入により課せられたICJ判決に従う義務を含む全ての国際的義務を尊重するイタリア国家の約束が維持されることは言うまでもない。
条約上の規範(国連憲章第94条)の我が国の法秩序への受容についての専ら本件の目的のための障碍は外部規範自体の適法性に影響を及ぼさず、したがって上記の憲法の基本原則に反する限りにおいて適用特別法の違憲を宣言することになる(2009年判決第311号)。
これは特に「政教条約第34条第4、5及び6項に関する限りにおいて1929年5月27日法律第810号 (1929年2月11日にローマにおいて教皇庁とイタリアが署名した条約、4件の付属書、政教条約の執行) 第1条、及び控訴裁判所が未完成の婚姻に対する司教の特免状を民事法の下で実施し身分記録簿の結婚記録への併記を命ずることができると規定する限りにおいて1929年法律第847号(1929年2月11日婚姻問題に関する教皇庁とイタリアの政教条約履行のための条項)第17条が違憲である」と判示した1982年判決第18号において明確に示された当裁判所の判例と一致している(同旨のものとして特に、1996年判決第223号、1987年判決第128号、1986年判決第210号、1985年判決第132号)。
1957年第848号適用法のその余の部分は言うまでもなく完全に有効である。 よって1957年第848号適用法第1条は、それが国連憲章第94条の執行に関し、不可侵の人権を侵害する戦争犯罪と人道に反する罪を実行した国家に対する訴 訟についてイタリア裁判所に管轄権否定を要求する2012年2月3日ICJ判決に従うことを義務づける限りにおいて違憲であると宣言されるべきである。

5. 最後に、2013年法律第5号第3条の合憲性に対する疑問について検討しなければならない。提請裁判官は彼女の他の疑問を支えるために提唱されたもの(上記第3項以下参照)と同様の議論に基づいて、2013年法律第5号第3条が当該事件のようにイタリア領域内で第三帝国によって犯された人道に反する罪による損害に関する訴訟の審理についての管轄権を否定することを要求する場合にまで国内裁判官にICJ判決への服従を義務づける限りにおいて、憲法第2条及び第24条との関係で合憲性に疑問があると主張した。提請裁判官によれば、当該条項は(司法保護の義務を負う)イタリア国家の領域において主権の行使として行われた外国による戦争犯罪と人道に反する罪の被害者らが被った重大な人権侵害による損害についての司法審査と補償を排除する限りにおいて、憲法第2条と第24条が保障する不可侵の人権に対する司法保護の権利に抵触する。

5.1. その疑問には理由がある。
当該条項は2004年12月2日にニューヨークで調印された国連国家免除条約への加盟と完全な執行を承認する2013年法律第5号中にある。30ケ国目の批准書寄託の30日後に発効する同条約は、国家の裁判権免除に関する一般に承認された慣習国際法の原則を条約に編入し、「特に国と自然人又は法人との間の取引における法の支配及び法的な確実性」(前文)の保障の見地から国家免除が適用されない場合を列挙して(例えば商業取引、雇用契約、人体の傷害又は財産の毀損。各第10条、11条、12条)免除の範囲を明らかにすることを目的とする。
そこでイタリアの立法者はそのすべての条項を遵守すべく、2013年法律第5号を通じて前述の条約を国内の法的秩序に組み込んだ。
上記のように第1条は加盟の承認、第2条は執行命令のために規定された。さらに立法者は下記の通り、問題の第3条を規定した。
「1.国連憲章第94条第1項の目的のために…ICJがイタリアを当事者とする紛争を外国のある特定の行為が民事裁判権に服する可能性を排除する判決によって解決した場合、同様の行為に関する紛争を担当する裁判官は、すでに管轄権の存在を認める確定力のある中間判決を行った場合を含む手続のいかなる段階においても、その管轄権が存在しないことを職権で宣言しなければならない。
2.第1項のICJ判決に反する終局判決はICJ判決に先行するものであっても、民事訴訟法第395条に規定されている根拠に加えて民事管轄権の欠如を理由として修正のために争うことができる。この場合には民事訴訟法第396条は適用されない。」
これは要するに2012年2月3日ICJ判決を執行するための通常の適用条項である。換言すれば、当該条文は特にICJが外国の特定の行為を民事裁判権から除外した全ての判決に従うことをイタリア国家に義務づける。それは手続のいかなる段階においても管轄権が存在しないことを職権で宣言することを裁判官に要求し、ICJ判決に抵触する終局判決に対する再審理由を追加する。 国会議事録はこの条文がICJ判決の明白かつ即時の尊重を保障し、「ハーグの法廷に提起された紛争によって生じたような不幸な状況を回避するために」(2012年9月19日外交第3委員会代議院決議第5434号)、ICJ2012年2月3日判決の直後に制定されたことをはっきりと示している。
そしてこの条項は、2012年2月3日判決のように外国の軍隊が法廷地国の領域内で犯した場合にも人権を侵害する戦争犯罪および人道に反する罪とみなされる行為による損害賠償訴訟の民事裁判からの免除をICJが支持した事例を除外していない。
このように、当該法律は国連国家免除条約が明白に規定したところから後退している。これは、法廷地国の領域内における軍隊の行為による傷害や損害の事件について条約の適用から明白に除外し免除規則を制限するという、加盟時にイタリア政府が行った解釈宣言から確認することができる。
問題の第3条により創設された、2012年2月3日ICJ判決(それは侵害された基本的人権について他のいかなる形態の法的補償もないままイタリア国家の領域内において主権行為として行われた人道に対する罪による損害の賠償訴訟の審理の管轄権を否定することをイタリア裁判所に求めている)に従うべきイタリア裁判官の義務は、他の問題の合憲性に関連して広範囲に論証したところ(上記第3、4項参照)により、憲法第2条及び第24条が保障する基本的人権の司法保護と対立する。上記のように、イタリアの裁判権からの外国の免除の結果として共和国憲法第2条及び第24条により規定されるイタリア法秩序の最高原則のひとつである基本的人権の司法保護が絶対的に犠牲となることは、免除が人権を侵害する戦争犯罪や人道に対する罪とみなされる外国の国家権力の違法な行使を保護する限りにおいて正当化し受け容れることができない。
よって、2013年法律第5号第3条は違憲と宣言されるべきである。

6. 提請裁判官の管轄権の宣言は、同裁判官が審理を担当する本案手続に先入 観を与えるものではない。
原告による損害賠償の請求も、その請求の当否についての事実的及び法的評価も、当裁判所に提起された主題に含まれない。

これらの理由により
憲法裁判所は


1)2013年1月14日法律第5号第3条(2004年12月2日にニューヨークで署名された国連国家免除条約へのイタリア共和国の加入と国内法の改正条文)の違憲を宣言し、

2) 国連憲章第94条の執行に関し、専ら戦争犯罪と人道に反する罪を構成し不可侵の人権を侵害する外国の行為についてイタリア裁判所の管轄権を否定することを求める2012年2月3日ICJ判決に従うことをイタリア裁判官に義務づける限りにおいて、1957年法律第848号第1条(1945年6月26日にサンフランシスコで署名された国連憲章の執行)の違憲を宣言し、

3) 理由中で述べた意味において、前記の地方裁判所決定により憲法第2条及び第24条との関係で提起された、外国の民事裁判からの国家免除の慣習国際法が「憲法第10条第1項の効果による受容によって我が国の法秩序に編入された」規範に対する合憲性への疑問は理由がないことを宣言する

よって、2014年10月22日、憲法裁判所の所在地であるローマ、コンスルタ宮において言い渡す。
裁判長、起案担当裁判官Giuseppe TESAURO
書記官 Gabriella Paola MELATTI


以下はすべて訳注
1下記のイタリア共和国憲法裁判所サイトに掲載された英文テキストから翻訳
https://www.cortecostituzionale.it/documenti/download/doc/recent_judgments/S238_2013_en.pdf

2 イタリア共和国憲法はドイツや韓国と同様の集中的違憲審査制を採用し、全ての違憲審査を憲法裁判所に委ねている。通常の裁判所で適用すべき法について当事者から違憲の主張が提起され、その主張に全く理由がないとはいえないと裁判官が判断した場合には、事件をいったん憲法裁判所に移送して違憲問題についての判断を求める。本件ではフィレンツェ裁判所におけるドイツ連邦共和国に対する賠償請求 訴訟で被告がイタリア国内裁判所の管轄権を否定する主張を行ったため、原告らがその根拠となる条項の違憲性を主張し、同裁判所が憲法裁判所に移送した。

3前注のように、イタリアの通常の裁判所は法律の合憲性に疑問を提起して憲法裁判所に事件を「移送」するが、韓国法では同様の制度を「違憲法律審判」の「提請」という漢字語で規定しているので、それに 倣った。

4憲法第10条① イタリアの法制度は一般に承認された国際法原則に従う。

5国連憲章第94条
1.各国際連合加盟国は、自国が当事者であるいかなる事件においても、国際司法裁判所の裁判に従うことを約束する。
2.事件の一方の当事者が裁判所の与える判決に基いて自国が負う義務を履行しないときは、他方の当事者は、安全保障理事会に訴えることができる。理事会は、必要と認めるときは、判決を執行するために勧告をし、又はとるべき措置を決定することができる。

6憲法第2条 共和国は、個人として、および人の個性が発現される社会集団における、人間の不可侵の権利を認め、保障する。共和国は政治的、経済的および社会連帯的な基本的義務が履行されることを期待する。

7憲法第24条 何人も自己の民事法、行政法上の権利を守るため裁判所に訴を提起することができる。弁護は司法手続きの全ての審級と段階において不可侵の権利である。
貧困者には全ての裁判所において訴の提起と防禦の適切な手段が保障される。
司法過誤に対する補償の条件と方法は法律で定める

8憲法第11条 イタリアは他国民の自由を侵害する手段として、および国際紛争を解決する方法としての戦争を否認する。イタリアは他国と平等な条件の下に、国家間の平和と正義を確保する世界秩序に必要な主権の制限に同意する。イタリアはそのような目的を有する国際機関を推進し、助成する。

9憲法第117条 立法権は憲法並びにEU法及び国際的な義務の範囲内において、国と州に帰属する。(以下略)

101953年ロンドン債務協定(Agreement on German External Debts)
第5条⑵ 第2次世界大戦中にドイツと戦争状態にあった国又は同大戦中にドイツに占領された国及びこれらの国の国民の、ドイツ国及びその機関に対する同大戦により生じた請求権の解決は、ドイツの占領による損害、占領中に取得した手形債権及び帝国信用基金(Reichskreditkassen)に対する請求権を含め、賠償が最終的に解決されるときまで延期される

11 1947年イタリア平和条約
第18条 イタリア国は、ルーマニア国、ブルガリア国、ハンガリー国及びフィンランド国との平和条約並びに平和の回復のために、オーストリア国、ドイツ国及び日本国に関し同盟及び連合国によって締結されている又は今後締結される他の協定若しくは取極の完全な効力を承認する。

12国連憲章第1条 国際連合の目的は、次のとおりである。
③経済的、社会的、文化的または人道的性質を有する国際問題を解決することについて、並びに人種、性、言語または宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を尊重するように助長奨励することについて、国際協力を達成すること。

13 国連憲章第55条 人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎をおく諸国間の平和的且つ友好的関係に必要な安定及び福祉の条件を創造するために、国際連合は、次のことを促進しなければならない。
c 人種、性、言語または宗教による差別のないすべての者のための人権及び基本的自由の普遍的な尊重及び遵守

14国際人権法及び国際人道法に関する重大な違反の被害者が救済及び賠償を受ける権利に関する基本原則とガイドライン (国連総会2005年12月16日決議)
11. 国際人権法に対する重大な違反や国際人道法への深刻な違反による損害の救済策には、国際法によって認められた下記の被害者の権利が含まれる。 (a) 平等で実効的な裁判の利用 (b) 適正、効果的、迅速な被害補償 (c) 違反と補償手段に関する情報へのアクセス」。
12. 国際人道法への重大な違反の被害者は…国際法の下で認められる実効的な司法救済を平等に利用する権利を有するべきである。

15市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)
第14条1 すべての者は、裁判所の前に平等とする。すべての者は、その刑事上の罪の決定又は民事上の権利及び義務の争いについての決定のため、法律で設置された、権限のある、独立の、かつ、公平な裁 判所による公正な公開審理を受ける権利を有する。報道機関及び公衆に対しては、民主的社会における道徳、公の秩序若しくは国の安全を理由として、当事者の私生活の利益のため必要な場合において又はその公開が司法の利益を害することとなる特別な状況において裁判所が真に必要があると認める限度で、裁判の全部又は一部を公開しないことができる。もっとも、刑事訴訟又は他の訴訟において言い渡される判決は、少年の利益のために必要がある場合又は当該手続が夫婦間の争い若しくは児童の後見に関するもので ある場合を除くほか、公開する。

16 イタリア憲法裁判所サイトで公開されている英訳判決文において省略されている。

17 憲法第134条 憲法裁判所は次の事項について裁定する。
国及び州の法律及び法律の効果を有する法令の合憲性に関する争い。(以下略)

18憲法第 138条 憲法改正法及びその他の憲法的法律は、各議院により少なくとも3ケ月の間隔を置いた2回の審議の後に採択され、各議院の第2回の投票における絶対多数で可決される。(以下略)

19憲法第139条 共和制は憲法改正の対象になることができない。

20憲法第 136条 裁判所が法律又は法律の効果を有する法令の違憲を宣告したときには、当該法律は判決公布の翌日に効力を失う。(以下略)

21欧州人権条約第6条(公正な裁判を受ける権利) 1 すべての者は、その民事上の権利及び義務の決定又は刑事上の罪の決定のため、法律で設置された、独立の、かつ、公平な裁判所による妥当な期間内に公正な公開審理を受ける権利を有する。判決は、公開で言い渡される。ただし、報道機関及び公衆に対しては、民主社会における道徳、公の秩序もしくは国の安全のため、また、少年の利益若しくは当事者の私生活の保護ため必要な場合において又はその公開が司法の利益を害することとなる特別な状況において裁判所が真に必要であると認められる限度で、裁判の全部又は一部を公開しないことができる。

22憲法第 113条 公共の行政行為に対しては、常に通常又は行政裁判所において、権利と正当な利益に対する司法保護が認められる。
上記の司法保護を排除したり、特定の請求手段や、特定の種類の行為に限定することは許されない。
法律は、法律の定める場合に、法律の効果によって公共の行政行為を取消すことができる司法機関を定める。

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