大韓民国憲法[施行1952.7.7.][憲法第2号,1952.7.7.一部改正]
前文
悠久の歴史と伝統に輝く我ら大韓国民は己未参一運動により大韓民国を建立し世界に宣布した偉大な独立精神を継承しここに民主独立国家を再建するにあたり正義人道と同胞愛により民族の団結を強固にし全ての社会的弊習を打破して民主主義諸制度を樹立し政治,経済,社会,文化の全ての領域において各人の機会を均等にして能力を最高度に発揮せしめ各人の責任と義務を完遂せしめ内には国民生活の均等な向上を期して外には恒久的な国際平和の維持に努力し我らと我らの子孫の安全と自由と幸福を永遠に確保することを決意して我らの正当かつ自由に選挙された代表により構成された国会において檀紀4281年7月12日この憲法を制定する.
第1章 総綱
第1条 大韓民国は民主共和国である.
第2条 大韓民国の主権は国民にあり全ての権力は国民から生ずる
第3条 大韓民国の国民とされる要件は法律により定める.
第4条 大韓民国の領土は韓半島とその付属島嶼とする
第5条 大韓民国は政治,経済,社会,文化の全ての領域において各人の自由,平等と創意を尊重して保障し公共福利の向上の為これを保護して調整する義務を負う.
第6条 大韓民国は全ての侵略的な戦争を否認する.国軍は国土防衛の神聖な義務を遂行することを使命とする.
第7条 批准公布された国際条約と一般的に承認された国際法規は国内法と同一の効力を有する.外国人の法的地位は国際法と国際条約の範囲内において保障される.
第2章 国民の権利義務
第8条 全ての国民は法律の下に平等であり性別,信仰又は社会的身分により政治的,経済的,社会的生活の全ての領域において差別を受けない.
社会的特殊階級の制度は一切認められず如何なる形態においてもこれを創設することはできない.
勲章とその他栄典の授与は専らその受けた者の栄誉に限るものであり如何なる特権も創設されない.
第9条 全ての国民は身体の自由を有する.法律によらなければ逮捕,拘禁,捜索,審問,処罰と強制労役を受けない
.逮捕,拘禁,捜索には裁判官の令状を要する.但し,犯罪の現行・犯人の逃避又は証拠湮滅の虞があるときには捜査機関は法律の定めるところにより事後に令状の交付を請求することができる.
何人も逮捕,拘禁を受けるときには直ちに弁護人の助力を受ける権利とその当否の審査を裁判所に請求する権利が保障される.
第10条 全ての国民は法律によらなければ居住と移転の自由を制限されず住居の侵入又は捜索を受けない.
第11条 全ての国民は法律によらなければ通信の秘密を侵害されない.
第12条 全ての国民は信仰と良心の自由を有する.国教は存在せず宗教は政治から分離される.
第13条 全ての国民は法律によらなければ言論,出版,集会,結社の自由を制限されない.
第14条 全ての国民は学問と芸術の自由を有する.著作者,発明家と芸術家の権利は法律により保護する.
第15条 財産権は保障される.その内容と限界は法律により定める.
財産権の行使は公共福利に適合するようにしなければならない.
公共の必要により国民の財産権を収用,使用又は制限することは法律の定めるところにより相当な補償を支給することにより行う.
第16条 全ての国民は均等に教育を受ける権利を有する.少なくとも初等教育は義務的であり無償とする.
全ての教育機関は国家の監督を受け教育制度は法律により定める.
第17条 全ての国民は勤労の権利と義務を有する.
勤労条件の基準は法律により定める.
女子と少年の勤労は特別な保護を受ける.
第18条 勤労者の団結,団体交涉と団体行動の自由は法律の範囲内において保障される.
営利を目的にする私企業においては勤労者は法律の定めるところにより利益の分配に均霑する権利を有する.
第19条 老令,疾病その他勤労能力の喪失により生活維持の能力がない者は法律の定めるところにより国家の保護を受ける.
第20条 婚姻は男女同権を基本とし婚姻の純潔と家族の健康は国家の特別な保護を受ける.
第21条 全ての国民は国家各機関に対し文書により請願をする権利を有する.
請願に対し国家は審査する義務を負う.
第22条 全ての国民は法律の定める裁判官により法律による裁判を受ける権利を有する.
第23条 全ての国民は行為時の法律により犯罪を構成しない行為に対し訴追を受けずまた同一の犯罪に対し再度処罰されない.
第24条 刑事被告人は相当な理由がない限り遅滞なく公開裁判を受ける権利を有する.
刑事被告人として拘禁された者が無罪判決を受けたときには法律の定めるところにより国家に対し補償を請求することができる.
第25条 全ての国民は法律の定めるところにより公務員を選挙する権利を有する.
第26条 全ての国民は法律の定めるところにより公務を坦任する権利を有する.
第27条 公務員は主権を有する国民の受任者であり常に国民に対し責任を負う.国民は不法行為を行った公務員の罷免を請願する権利を有する.
公務員の職務上不法行為により損害を受けた者は国家又は公共団体に対し賠償を請求することができる.但し,公務員自身の民事上又は刑事上の責任が免除されるものではない.
第28条 国民の全ての自由と権利は憲法に列挙されないとの理由により軽視されてはならない.国民の自由と権利を制限する法律の制定は秩序維持と公共福利の為必要な場合に限る.
第29条 全ての国民は法律の定めるところにより納税の義務を負う.
第30条 全ての国民は法律の定めるところにより国土防衛の義務を負う.
第3章 国会
第31条 立法権は国会が行う.国会は民議院と参議院により構成する.
第32条 両院は国民の普通,直接,平等,秘密投票により選挙された議員により組織する.
何人も両院の議員を兼ねることはできない.
国会議員の定数と選挙に関する事項は法律により定める.
第33条 民議院議員の任期は4年とする.
参議院議員の任期は6年とし2年毎に議員の3分の1を改選する.
第34条 国会の定期会は毎年1回12月20日に集会する.当該日が公休日であるときにはその翌日に集会する.
第35条 臨時緊急の必要があるときには大統領,国会の在籍議員4分の1以上又は参議院の在籍議員の2分の1以上の要求により両院の議長は国会の臨時会の集会を公告する.
第36条 民議院は議長1人副議長2人を選挙する.
参議院は副統領を議長とし副議長2人を選挙する.
参議院議長は両院合同会議の議長となる.
第37条 各院は憲法又は国会法に特別な規定がない限りその在籍議員の過半数の出席と出席議員の過半数により議決を行う.
法律案その他の議案について両院の議決が一致しない時には各院の在籍議員過半数が出席した両院合同会議において出席議員過半数で議決する.
民議院議長は議決において表決権を有する.
両院の議長は議決において可否同数である場合に決定権を有する.
第38条 国会の会議は公開する.但し,各院又は両院合同会議の決議により秘密会とすることができる.
第39条 国会議員と政府は法律案を提出することができる.
法律案,予算案その他の議案はまず民議院に提出しなければならない.但し国務総理と大法院長である裁判官の任命に関する議案は参議院にまず提出することができる.
一院で否決された議案は他院に移送することができない.
第40条 国会において議決された法律案は政府に移送されて15日以内に大統領が公布する.
移送された法律案に対して異議があるときには大統領は異議書を付して両院中の一院に還付して国会の再議に付する.国会において各院がその在籍議員の3分の2以上の出席と出席議員の3分の2以上の賛成で前と同一の議決を行ったときにはその法律案は法律として確定される.法律案が政府に移送された後15日以内に国会に還付されないときにはその法律案は法律として確定される.
大統領は第2項により確定された法律を遅滞なく公布しなければならない.
法律は特別な規定がないときには公布日から20日後に効力が発生する.
第41条 国会は予算案を審議決定する
第42条 国会は国際組織に関する条約,相互援助に関する条約,講和条約,通商条約,国家又は国民に財政的負坦を負わせる条約,立法事項に関する条約の批准と宣戦布告に対し同意権を有する.
第43条 国会は国政を監査するために必要な書類を提出させ証人の出席と証言又は意見の陳述を要求することができる.
第44条 国務総理,国務委員と政府委員は国会に出席し意見を陳述して質問に応答することができ国会の要求があるときには出席答弁しなければならない.
第45条 各院は議員の資格を審査して議事に関する規則を制定して議員の懲罰を決定することができる.
議員を除名するには各院の在籍議員3分の2以上の賛成を要する.
第46条 大統領,副統領,国務総理,国務委員,審計院長,裁判官その他法律が定める公務員のその職務遂行に関し憲法又は法律に違背したときには国会は弾劾の訴追を決議することができる.
国会の弾劾訴追は民議院議員50人以上の発議が必要でありその決議は両院合同会議において各院の在籍議員3分の2以上の出席と出席議員3分の2以上の賛成を要する.
第47条 弾劾事件を審判するために法律により弾劾裁判所を設置する.
弾劾裁判所は副統領が裁判長の職務を行い大法官5人と参議院議員5人が審判官となる.但し,大統領と副統領を審判するときには大法院長が裁判長の職務を行う.
弾劾判決は審判官3分の2以上の賛成を要する.
弾劾判決は公職から罷免するにとどまる.但し,これにより民事上又は刑事上の責任が免除されるものではない.
第48条 国会議員は地方議会の議員を兼ねることができない.
第49条 国会議員は現行犯を除くほかは会期中その院の同意なく逮捕又は拘禁されず会期前に逮捕又は拘禁されたときにはその院の要求があれば会期中釈放される.
第50条 国会議員は国会内において発表する意見と表決に関し外部に対し責任を負わない.
第4章 政府
第1節 大統領
第51条 大統領は行政権の首班であり外国に対し国家を代表する.
第52条 大統領が事故により職務を遂行することができないときには副統領がその権限を代行し大統領,副統領共に事故によりその職務を遂行することができないときには国務総理がその権限を代行する.
第53条 大統領と副統領は国民の普通,平等,直接,秘密投票により各々選挙する.
国会閉会中に大統領と副統領を選挙するときにはその選挙報告を受けるため両院の議長は国会の集会を公告しなければならない.
大統領と副統領の選挙に関する開票報告は特別市と道の選挙委員会が立候補者の得票数を明記し封緘した後参議院議長に送付しなければならない.
参議院議長は直ちに各院の在籍議員過半数が出席する公開された両院合同会議において前項の得票数を計算し当選した大統領と副統領を公表しなければならない.
大統領と副統領の当選は最高得票数によって決定する.
最高得票者が2人以上であるときには前項の両院合同会議において多数決により当選者を決定する.
大統領と副統領の選挙に関する事項は法律で定める.
大統領と副統領は国務総理又は国会議員を兼ねることはできない.
第54条 大統領は就任に際し両院合同会議において左の宣誓を行う.
「私は国憲を遵守し国民の福利を増進し国家を保衛し大統領の職務を誠実に遂行することを国民に厳粛に宣誓する.」
第55条 大統領と副統領の任期は4年とする.但し,再選により1回重任することができる.副統領は大統領在任中在任する.
第56条 大統領,副統領の任期が満了するときには遅くともその任期が満了する30日前にその後任者を選挙する.
大統領又は副統領が欠けたときには直ちにその後任者を選挙する.
第57条 内憂,外患,天災,地変又は重大な財政,経済上の危機に際し公共の安寧秩序を維持するために緊急の措置をする必要があるときには大統領は国会の集会を待つ余裕がない場合に限り法律の効力を有する命令を発し又は財政上必要な処分をすることができる.
前項の命令又は処分は遅滞なく国会に報告し承認を得なければならない.
万一国会の承認を得られないときにはそのときから効力を喪失し大統領は遅滞なくこれを公布しなければならない.
第58条 大統領は法律において一定の範囲を定めて委任を受ける事項と法律を実施するために必要な事項に関し命令を発することができる.
第59条 大統領は条約を締結して批准し宣戦布告と講和を行い外交使節を信任接受する.
第60条 大統領は重要な国務に関し国会に出席して発言し,又は書簡によって意見を表示する.
第61条 大統領は国軍を統帥する.国軍の組織と編成は法律により定める.
第62条 大統領は憲法と法律の定めるところにより公務員を任免する.
第63条 大統領は法律の定めるところにより赦免,減刑と復権を命ずる.一般赦免を命ずるには国会の同意を得なければならない.
第64条 大統領は法律の定めるところにより戒厳を宣布する.
第65条 大統領は
勲章その他栄誉を授与する.
第66条 大統領の国務に関する行為は文書で行わなければならず全ての文書には国務総理と関係国務委員の副署がなければならない.軍事に関するものも同様である.
第67条 大統領は内乱又は外患の罪を犯したとき以外には在職中刑事上の訴追を受けない.
第2節 国務院
第68条 国務院は大統領と国務総理その他の国務委員により組織される合議体として大統領の権限に属する重要国策を議決する.
第69条 国務総理は大統領が任命して国会の承認を得なければならない.
民議院議員総選挙後新国会が開会されたときには国務総理任命に対する承認を再度得なければならない.
国務総理が欠けたときには10日以内に前項の承認を要求しなければならない.
国務委員は国務総理の提請により大統領が任命する.
国務委員の総数は8人以上15人以内とする.
軍人は現役を退いた後でなければ国務総理又は国務委員に任命されることができない.
第70条 大統領は国務会議の議長となる.
国務総理は大統領を補佐し国務会議の副議長となる.
国務総理と国務委員は国会に対して国務院の権限に属する一般国務に関して連帯責任を負い各自の行為に関しては個別責任を負う.
第70条の2 民議院において国務院不信任決議を行い,又は民議院議員総選挙後最初に集会された民議院において信任決議を得られないときには国務院は総辞職をしなければならない.
国務院の信任又は不信任決議はその発議から24時間以上が経過した後に在職議員過半数の賛成により行う.
民議院は国務院の組織完了又は総選挙直後の信任決議から1年以内には国務院不信任決議をすることができない.但し,在籍議員の3分の2以上の賛成による国務院不信任決議は常に行うことができる.
総辞職した国務院は新国務院の組織が完了するときまでその職務を行う.
第71条 国務会議の議決は過半数により行う.
議長は議決において表決権を有し可否同数である場合は決定権を有する.
第72条 左の事項は国務会議の議決を経なければならない.
1.国政の基本的計画と政策
2.条約案,宣戦,講和その他重要な対外政策に関する事項
3.憲法改正案,法律案,大統領令案
4.予算案,決算案,財政上の緊急処分案,予備費支出に関する事項
5.臨時国会の集会要求に関する事項
6.戒厳案,解厳案
7.軍事に関する重要事項
8.栄誉授与,赦免,減刑,復権に関する事項
9.行政各部間の連絡事項と権限の画定
10.政府に提出又は回付された請願の審査
11.大法官,検察総長,審計院長,国立大学総長,大使,公使,国軍総司令官,国軍参謀総長,その他法律により指定された公務員と重要国営企業の管理者の任免に関する事項
12.行政各部の重要な政策の樹立と運営に関する事項
13.その他国務総理又は国務委員が提出する事項
第3節 行政各部
第73条 行政各部の長は国務委員でなければならず,国務総理の提請により大統領が任命する.
国務総理は大統領の命によって行政各部長官を統理監督し行政各部に分坦されない行政事務を坦任する.
第74条 国務総理又は行政各部長官はその坦任する職務に関し職権又は特別な委任により総理令又は部令を発することができる.
第75条 行政各部の組織と職務範囲は法律により定める.
第5章 裁判所
第76条 司法権は裁判官により組織された裁判所が行う.
最高裁判所である大法院と下級裁判所の組織は法律により定める.裁判官の資格は法律により定める.
第77条 裁判官は憲法と法律により独立して審判する.
第78条 大法院長である裁判官は大統領が任命し国会の承認を得なければならない.
第79条 裁判官の任期は10年とし,法律の定めるところにより連任することができる.
第80条 裁判官は弾劾,刑罰又は懲戒処分によらなければ罷免,停職又は減俸されない.
第81条 大法院は法律の定めるところにより命令,規則と処分が憲法と法律に違反するか否かを最終的に審査する権限を有する.
法律が憲法に違反するか否かが裁判の前提がとされるときには裁判所は憲法委員会に提請しその決定により裁判する.
憲法委員会は副統領を委員長として大法官5人民議院議員3人参議院議員2人の委員で構成する.
憲法委員会において違憲決定をするときには委員3分の2以上の賛成を要する.
憲法委員会の組織と手続は法律により定める.
第82条 大法院は裁判所の内部規律と事務処理に関する規則を制定することができる.
第83条 裁判の対審と判決は公開する.但し,安寧秩序を防害し風俗を害する虞があるときには裁判所の決定により公開しないことができる.
第6章 経済
第84条 大韓民国の経済秩序は全ての国民に生活の基本的需要を充足しうる社会正義の実現と均衡ある国民経済の発展を期することを基本とする.各人の経済上自由はこの限界内において保障される.
第85条 鉱物その他重要な地下資源,水産資源,水力と経済上利用することのできる自然力は国有とする.公共の必要による一定の期間の開発又は利用の特許又は特許の取消は法律の定めるところにより行う.
第86条 農地は農民に分配しその分配の方法,所有の限度,所有権の内容と限界は法律により定める.
第87条 重要な運輸,通信,金融,保險,電気,水利,水道,ガス及び公共性を有する企業は国営又は公営とする.公共の必要による私営の特許又はその特許の取消は法律の定めるところにより行う.
対外貿易は国家の統制下に置く.
第88条 国防上又は国民生活上の緊急の必要により私営企業を国有又は公有に移転し又はその経営を統制,管理することは法律の定めるところにより行う.
第89条 第85条乃至第88条により特許を取消し権利を収用使用又は制限するときには第15条第3項の規定を準用する
第7章 財政
第90条 租税の種目と税率は法律により定める.
第91条 政府は国家の総収入と総支出を会計年度毎に予算に編成し毎年国会の定期会開会の初めに国会に提出しその議決を得なければならない.
特別に継続支出の必要があるときには年限を定め継続費として国会の議決を得なければならない.
国会は政府の同意なく政府が提出する支出決算各項の金額を増加し又は新費目を設置することができない.
第92条 国債を募集し予算外の国家の負担となる契約をするには国会の議決を得なければならない.
第93条 予測することができない予算外の支出又は予算超過支出に充当するための予備費は予め国会の議決を得なければならない.
予備費の支出は次期国会の承認を得なければならない.
第94条 国会は会計年度が開始されるまでに予算を議決しなければならない.やむを得ない事由により予算が議決できないときには国会は1個月以内に仮予算を議決してその期間内に予算を議決しなければならない.
第95条 国家の収入支出の決算は毎年審計院において検査する.
政府は審計院の検査報告と共に決算を次年度の国会に提出しなければならない.
審計院の組織と権限は法律により定める.
第8章 地方自治
第96条 地方自治団体は法令の範囲内においてその自治に関する行政事務と国家が委任する行政事務を処理し財産を管理する.
地方自治団体は法令の範囲内において自治に関する規程を制定することができる.
第97条 地方自治団体の組織と運営に関する事項は法律により定める.
地方自治団体には各々議会を置く.
地方議会の組織,権限と議員の選挙は法律により定める.
第9章 憲法改正
第98条 憲法改正の提案は大統領,民議院の在籍議員3分の1以上又は参議院の在籍議員3分の2以上の賛成により行う.
憲法改正の提議は大統領がこれを公告しなければならない.
前項の公告期間は30日以上とする.
憲法改正の議決は両院において各々その在籍議員3分の2以上の賛成により行う.
憲法改正が議決されたときには大統領は直ちに公布する.
第10章 付則
第99条 この憲法はこの憲法を制定する国会の議長が公布した日から施行する.但し,法律の制定なしには実現されない規定はその法律が施行されたときから施行される.
第100条 現行法令はこの憲法に抵触しない限り効力を有する.
第101条 この憲法を制定する国会は檀紀4278年8月15日以前の悪質な反民族行為を処罰する特別法を制定することができる.
第102条 この憲法を制定する国会はこの憲法による国会としての権限を行いその議員の任期は国会開会日から2年とする.
第103条 この憲法施行時に在職している公務員はこの憲法により選挙又は任命された者がその職務を継承するときまで継続し職務を行う.
付則<憲法第2号,1952.7.7.>
この憲法は公布した日から施行する.但し,参議院に関する規定と参議院の存在を前提とした規定は参議院が構成された日から施行する.
本法施行後参議院が構成されるときまでは両院合同会議において行う事項は民議院が行い参議院議長が行う事項は民議院議長が行う.
参議院が構成されるときまでは民議院の議決により国会の議決とする.
この憲法施行時の国会議員は民議院議員としその任期は国会議員の任期の残期により終了する.
この憲法が施行された後初めて選挙された参議院議員は特別市と道毎にその得票数の順位にしたがい第1部,第2部,第3部に分ける.第1部の議員の任期は6年,第2部の議員の任期は4年,第3部の議員の任期は2年とする.
票数が同じときは年令順による.
大韓民国国会議長は大韓民国国会において制定された大韓民国憲法をここに公布する.檀紀4281年7月17日
大韓民国国会議長李承晩