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主権免除(独対伊)事件 国際司法裁判所(ICJ)判決



→解説


本件の概要、判決の内容、日本の戦後補償問題との関係などを解説。

→判決(多数意見)


小和田恒所長(日本)をはじめとする12名の裁判官による多数意見。本件の争点を「武力紛争の遂行過程における国家の軍隊の行為に免除が適用されるか」という問題に限定し、各国の裁判例、立法例、条約等を検討したで、「慣習国際法は武力紛争の遂行過程において、国の軍隊その他の国家機関が損害をもたらす行為を他国の領域で行ったとして訴えられている国に対して免除を認めることを現在も要求している」として、ドイツの請求の大部分を認容した。



→ユスフ裁判官反対意見


ユスフ裁判官(ソマリア)は、多数意見の争点設定は、他の救済手段の不存在のためイタリア裁判所に請求せざるをえなかったナチス蛮行被害者らの現実の生活状況に比べ、余りにも抽象的・形式的であると批判する。また、慣習国際法は常に発展の過程にあり、各国の実行例を数え上げて相対多数により慣習国際法を認定するという多数意見の手法は常に国際法の発展を妨げる結論を導くことになると批判する。そして、主権免除が被害者への補償義務を回避するための障壁として利用されてはならないと述べ、国際人道法に対する重大な違反を加害国も認めているにもかかわらず他の救済手段が存在しないという例外的な場合には主権免除の適用は否定されるべきであると主張する。

→カンサード・トリンダージ裁判官反対意見


米州人権裁判所でラテンアメリカの独裁政権による人権侵害の被害者の救済に取り組んできた経験をもつカンサード・トリンダージ裁判官(ブラジル)は、すべての論点について多数意見に反対し、多数意見をはるかに上回る316パラグラフに及ぶ長大な反対意見を提出した。それは本件で問題となったあらゆる論点におよび、単なる反対意見というより、国際人道法違反の被害者の救済についての詳細な評論というべきものである。その論旨は国際法を「頑迷な国家中心思考」から解き放ち、個人の人権のための国際法に転換しようという願いに貫かれており、戦後補償と国際法に関心をもつ市民、法律家、研究者、ジャーナリストの必読文献である。

→ガヤ特任裁判官反対意見


ガヤ特任裁判官(イタリア)は、各国の国家実行の調査から慣習国際法を認定するという多数意見と同様のアプローチをとりながら、軍隊による行為を「域内不法行為原則」の例外とする慣習国際法の存在を否定し、問題となったイタリア裁判所の判断のうち、不法行為がイタリア領域内で行われた件についてはイタリアの国際法上の義務違反はないと主張した。

→コロマ裁判官個別意見


多数意見を支持するコロマ裁判官(シエラレオネ)は、主権行為については主権免除の例外は存在しないと強調し、国際法は個人被害者の国家に対する請求権を認めていないと主張する。ただし、この判決は主権免除について判断したのみであり、国際人道法に違反した国家の免罪符と受けとられてはならないと述べた。

→ベヌーナ裁判官個別意見


モハメッド・ベメーナ裁判官(モロッコ)は、過去の国内判例や立法例のみに依拠し国際法の発展をかえりみない多数意見のアプローチを批判し、現在の国際法の趨勢を反映すれば、主権免除は責任を認めた国家のみに与えられるものであると主張した。ただし、ドイツが第2次世界大戦中の違法行為の責任を認めていることなどを理由に多数意見の主文には賛成した。

→キース裁判官個別意見


ケネス・キース裁判官(ニュージーランド)は、多数意見の結論及び理由に賛成した。その個別意見では多数意見を敷衍して解説し、戦争被害の補償は元来は国家間交渉によって解決されるものであると主張した。

→ICJサイトへのリンク(仏語・英語による原文)





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