韓国は1948年以来1987年までに9回の憲法改正を行いました。つまり、現在の韓国憲法は韓国にとって10代目の憲法となります。
これらの憲法改正ではドイツのワイマール憲法、ボン基本法をはじめとして、フランス共和国憲法、アメリカ合衆国憲法;、日本国憲法などが参照されており、韓国の現代史は「比較憲法の実験場」とも呼ばれています。これは独裁政治を克服して立憲主義を樹立する苦闘の歴史でもあり、とくに韓国憲法の緊急事態条項が民主主義を圧殺するためにどのように利用されてきたかを知ることは、憲法改正論議のなかで緊急事態条項の創設がとりざたされる現状においてきわめて有益であると思われます。
以下は、韓国歴代憲法の特徴、改正にいたる経緯についての簡単な解説と各憲法の全文日本語訳です。